新卒の思い出を語る

2008年4月、僕が新卒として仕事を始めてから4年がたちました。

新卒の時はいろんなことがありまして、どこかでその話を書いておきたいなと思っていたのですが、僕もそろそろ新人として見られなくなってくる頃なんじゃないかなと思っているので、ここで書こうかなと思います。

最初に書いておくと、この僕が最初に務めた会社はすでに倒産しております。

就活〜入社まで

大学時代、僕は就活がすごい嫌いで、まったく真面目にやりませんでした。エントリーシート書くのも面倒で書きませんでしたし、大手に入りたいっていう思いも特に無かったし、最終的に2社しか受けませんでした。

まあ、ちょっと舐めてましたよね、いろいろ。

幸い、2社とも内定をいただきまして、そのうち1社に入社することになります。

入社前の連絡で、北海道の事業所に行くことが決まっていましたので、北海道の新居を探して、引越しも予め行いました。

最初の1週間だけ研修で東京勤務とのことでしたので、その間は知人の家にお世話になることにしました。

入社して、初仕事

さて、迎えた入社日、緊張と希望といろいろごちゃまぜになりながら、出社しました。

初日はビジネス講習や会社説明などを簡単に受けて、終わりです。

とおもいきや、その後僕だけ部屋に残されまして、衝撃の事実がわかります。

僕の行く予定だった北海道の事業所は閉鎖することが前日に決定したらしく、僕が行くところがなくなってしまったということなのです。

入社日が4/2だったので、4/1にそれが決定したようで。いやー、素晴らしいタイミングでしたね。

実は僕が入社する時期はリーマンショックとちょうど重なって景気が大きく傾き始めた時期でした。それとちょっと前から会社の経営も芳しくない状況だったようで、いろいろと転換期だったようです。

通常、就活時期って大学の3年〜4年前半くらいなので、実際に入社するまでに、1年くらいあきがあるんですよね。就活してたときはそれほど悪くない業績だったはずなので、びっくりしました。

さて、北海道行きは無くなりましたので、僕はそのまま東京勤務になります。ところが、もう引越しは済ましているので、住む場所はありません。

ということで、僕が入社して最初にした仕事が、会社を数日休んでの新居探しでした。

確か、3日くらい新居さがしと契約もろもろをおこなっており、土日休みとかもありましたので、4/8から出社したと思います。

今後を左右した、配属

北海道の事業所は技術センターのような、技術者を集めたところでした。そこが無くなるということはつまり、技術者を少なくしているという状態です。

僕はもともとプログラマとして入社したましたが、前述の通り技術者を辞めさせている状態で僕がプログラマとして入る余地がありません。つまり、技術部には入れませんでした。

というわけで、管理部に配属されます。技術と全く無縁かというと、実はそうでもなくて、管理部の下にいわゆる社内システム部のようなものがありました。

実はそこもリストラ対象にはなっていたので、正式に配属にはならなかったのですが、まあいろいろありまして7月頃から正式配属になります。

社内システムと共にFreeBSDに触れる

僕がインフラエンジニアになるきっかけがこの配属でした。

この会社では社内システムががっちり内製されていて、AD用に一部Windowsサーバーがあって、他はすべてFreeBSDで作成されていました。

社内のPCやサーバーの管理をする一方で、FreeBSDのインストールから、UNIXコマンドの使い方や、FreeBSDでフィルタリング用のブリッジを作成したり、sambaの立てかたなどを学んだりしました。

空いているPCはたくさんありましたし、システム構成もなかなか面白かったので、とても勉強になりました。

僕はこの時、インフラもすごく面白いじゃないかと思うようになったのです。

退職勧奨へ

とまあ、それなりに楽しめていたのですが、会社の業績は回復の兆しを見せませんでしたし、いろんなことが発覚して、もうどうしようもない事になります(サーバーが取り押さえられるかもという恐怖に戦ったりしてました)。

最終的には12月あたりに、一部の技術部を除き、全員に退職勧奨が出ました。僕もその対象となりましたので、これを受けて1月に退職することとなります。

激動の1年だった

新卒でまさかこんなにいろんなことを体験できるとは思ってませんでしたね。改めて体験したことを箇条書きしてみると、

  • いきなり勤務地が変わった
  • 所属部署が予定と異なった
  • 縮小していく会社の様子を見ることができた
  • 1週間くらい一人で仕事をした
  • サーバー差し押さえの危機
  • 退職勧奨

他にもいろいろありますが、こんな感じでしょうか。

でも僕は、この体験がすごい良かったなあと思ってます。



ある意味、いろんな幻想を捨てることができた

自分のスキルをちゃんと持とうと思うようになりました。これは僕が勉強会に参加するきっかけだったと思います。

会社がいよいよ終わるという時の自身のモチベーションの低下を把握できた

なんだかんだで、ネガティブな仕事をしている時の自身のモチベーションの低下はすごいです。

仕事は仕事として割り切れる人はいいかもしれませんが、僕にとって仕事の内容は大事なんだなと感じた瞬間でした。

インフラに触れるきっかけが出来ました

多分このようなことがなければFreeBSDなんて触っていなかったんじゃないかなと思いますし、インフラエンジニアになることなんて無かったでしょう。

要するに結果オーライ

いろいろとありましたけど、学べることは学べましたし、それなりに楽しかったです。

どんな境遇でもやりようはたくさんあると思いますし、それでもだめならそこから抜け出すためには自分が何を持っているか把握しておくことが大事かと思います。

会社がどうであれ、自分が一人の人間として自立してスキルを身に付けていく事ができれば、働く先は現在のエンジニアに限って言えば結構あるものだと思います。

終わりに

僕は今もインフラエンジニア的な仕事をしてますが、たまにアプリ開発ができたりと、昔やりたかったこともできてたりします。

いろんなことがありましたがそのおかげで今の仕事がありますし、勉強会で出会った方々との出会いも無かったことでしょう。

これから新卒の方々はいろんな理不尽な経験もされると思いますが、それらはダメならダメでいいと思いますが、そういう経験もしっかり噛み砕いて自分なりに消化できるようになってほしいなと思います。